DRESSEDUNDRESSED

デザイナー北澤 武志の言葉で語られる
2019AWコレクション

―"Portrait"というテーマのもと、 非常にコンセプチュアルなインスタレーションだったと思います。 北澤さんが今回伝えたかったメッセージあるいは問いかけについて 、詳しく教えて頂けますか?

テーマの”Portrait"は肖像を意味します。
肖像は自分を映し出すもの。鏡、影、夢の中での自分、、、もう一人の自分を意味します。それは多面的です。

ショーはクリーンな素顔のモデルと、見るからに怪しい黒いマスクで顔を覆ったモデルが対になり、短いランウェイを経て、警察署の取調室を模したスペースに入っていく演出です。
“犯罪者”は直感的にマスクの方と感じますが、解像度の低い防犯カメラのアナログ映像を通してスクリーンに映し 出されたのは、マスクを被っていないモデルが行う奇行の数々です。クッションを唐突に引き裂いたり、中には"do something boring(つまらないことをしろ)" というメモを見せつけるモデル。素顔のモデルは部屋を出て行き、部屋の中には黒いマスクで顔を覆ったモデル達だけが取り残されて いきます。フィナーレではカーテーン越しに素顔のモデルが、 黒いマスクを被ったもう一人の自分を見つめています。

人の内面とは善も悪も一体化しているのだろうか、、、 顔や外観でセクシャリティを判断し、 外見と個人の嗜好性を直接的に結び付けるのはなんとも旧時代的な 考えです。
また、 世の中はカメラだらけでその録画映像が何に使われるのかも本当の ところはよくわからない。
人の固定観念や監視社会。外観によるステレオタイプが私たちの“ 直感”をいまだに支配しているのではないか。
何事も見た目によらない?
人はとても複雑な存在であると思います。

―ショー音楽の制作をLicaxxxさんに依頼される際、どのようなことをお伝えしたのでしょうか?

私達のLicaxxxへのSHOW MUSIC作成リクエストは、複数人へのインタビュー質問の回答をミックステープのように分解し、繋ぎ合わせ、ストーリーがちぐはぐな音楽にしたいという内容でした。
Licaxxxが作成してくれたSHOW MUSICに使用したインタビューの質問内容は、昔からよく見る夢、最近みた過去と現在が入り混じる夢の中での話を元に作成されました。
プレビューを最初に聴いた時、その音は私達の期待を上回るもので、鳥肌が立ったのを覚えています。

―メンズモデルのみでショーを構成されたのはなぜですか?

デザイナーの私自身が男性ということからコンセプトとテーマを重要視し、メンズモデルのみの起用でコレクションを発表致しました。

―ショーの中では、モデルが服を脱いだり、それを他のモデルが別のコーディネートで着直したりするシーンもありました。今回のアイテムの着方の例やスタイリングについて、アドバイスをお願いします。

ショーの中でのモデルが脱いだり着たりするシーンは「着る、脱ぐ」を意味するブランドネームのDRESSEDUNDRESSEDに由来します。
スキンカラーのアイテム、トロンプルイユのデザインはブランドのアイコニックなアイテムです。特にショーでも多く使用されている、スキンカラーのタイトシルエットのLogo Extra Long Turtleneck、Tattoo Sheer Long Sleeve T-Shirtはジャケットやシャツのインナーに使用する事で、着ているのに裸の様に見えるアートピースとしてデイリーに着用することができます。

―今回のコレクション(服)の中で、特に思い入れの深いポイントについて教えて下さい。

テーマの”Portrait"、肖像からインスピレーションされたディティール。
ジャケットやコートの背中にはPVCフィルムのカードケースにブランドネームを個人としてみたてた名刺のディティール。バッグにはレザーカードケースにミラーが同封され、レザーのIDホルダーやミラー加工の施されたアクセサリー、文字盤のないミラーウォッチやリング。
フェティッシュなピアスディティールは、相反するクラッシックで洗練されたジャケットとシャツに。
クラシックとモダン、繊細さと大胆さ、マスキュリンとフェミニン、相反する様々な要素をアッセンブルしミニマルなテーラリングとストリートのユーモアを巧みに融合させた脱構築的なジェンダーレスコレクションを展開します。

Interview / Text : Aika Seto

DRESSEDUNDRESSED:
2019AW TRUNKSHOW (2019-4-7まで)
https://seenowtokyo.com/collection/dressedundressed/2019aw