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TENDER PERSON

2019SS PRE ORDER
10/14 - 11/6

TENDER PERSON

TENDER PERSON(テンダーパーソン)は、2014年にヤシゲユウトとビアンカが文化服装学院在学中にスタートしたユニセックス・ブランド。ストリートや映画、カルチャーを独自の視点で組み合わせ、今の東京シーンを伝えるようなクリエーションを展開する。

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SPECIAL INTERVIEW



らしさと自由、その先のカオス

 デザイナーヤシゲユウトとビアンカが手がけるユニセックスブランドTENDER PERSON(テンダーパーソン)。2014年のブランドを立ち上げから、日常生活から得る物事を様々な視点から捉え、ファッションを通して自分達らしさを追求してきた。さらに新たなステップへと突入してきていると語るヤシゲ氏にブランドのこれまでとこれからを聞いた。

ーまずはじめにブランドの立ち上げの経緯を教えてください
文化服装学院在学中に当時グラフィックをやっていた同級生と二人で、原宿の展示スペースを借りて作品を発表し始めたのが原点です。僕は10着くらいサンプルを作って発表しました。その友達は生地に自分で作ったグラフィックをプリントして窓ガラスくらいの大きさのボードを作ったりしていましたね。初めは僕一人の名義だったのですが、ビアンカにもその頃から手伝ってもらっていて、その後今の形になりました。その展示会で実際にオーダーして頂いたり、原宿のショップの方に声をかけてもらい次回の場所をお借りできることになったりと反響を頂くことができました。とはいっても最初は本当に年に1回、身内や知人に来てもらいながら、徐々に広がっていってという感じですね。卒業するタイミングの2016AWコレクションから本格的に活動を始め、身内だけでなくビジネスをきちんと意識して、ディーラーさんやメディアなど外に向けて発信し始めました。

画像出典:tenderperson.com

ーかなり早くからキャリアをスタートされていますが、元々ブランドを立ち上げたいと考えていたのですか?
自分のブランドを立ち上げることは最終的な目標としてありましたが、元々ははどこかメゾンで経験を積んで独立するイメージでしたね。テンダーパーソンを始めた時も、何かアクションを起こそうという気持ちだけで、そこでオーダーしてくれる方や興味を持ってくれる方がいたことで次に繋がっていくことが出来ました。
ーヤシゲさんとビアンカさんのお二人の中で役割分担はあるんですか?
基本的には何もないんですよね。二人でデザインして、二人でひとつのアイテムを作って、トータルのスタイリングも二人でやって。パターンが誰とかデザインが誰という分け方はしていないです。二人でやってるとしんどい部分も倍ですが、自分一人じゃ見えていないものが見えたり、出てこないものが出てきたり、最終的にはこれはうちでしか絶対にないなと思えるものに落とし込めてるかなと思います。メリットはありますね。
ー今期のコレクションに関して、テーマを教えていただけますか?
テーマは”TAKE IT EASY”です。今期はこれまで以上に自分達が今感じるフィーリングに正直にコレクションとして反映させたいと思ったんです。”TAKE IT EASY”って例えば喧嘩しているときにかける「ちょっと落ち着けよ」みたいな言葉で、そんな風に肩の力抜こうよ、という意味をこのテーマに込めました。
今まではテンダーパーソンらしさみたいなものを追求して、これは自分達らしい/らしくない、という選択をしながらコレクションを作ってきました。例えば2017SSのテーマ「CATCH ME IF YOU CAN」は映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)から着想して、昔っぽいもの、新しいものをミックスして、自分達らしさを追い求めるように制作をしてきたのですが、今回は「〜らしさ」みたいなことに囚われすぎず、自分達が今いいと思うものとか、直感を大事にしました。いかに自由であるか、自由に生きるためにどうするかみたいなことを考えていましたね。例えばレーシングジャケットやモータースポーツからインスピレーションを受けたアイテムも多くありますが、そこにレース、カモフラ柄、グラフィックの柄などを自由に組みわせています。
ーこれまでの「ブランドらしさ」を形作るというところから別のフェーズに移行しているという感覚ですか?
そうかもしれません。お陰様で周囲の方々にも何となくブランドらしさを理解してもらえてきてるかな、と思えるようになってきたので、もうワンステップ上に行くためにいかに自分達の感情に素直になって表現をするかというところに目を向け、幅を広げたコレクションにしたいという思いがありましたね。
ーコレクションの見どころを教えてください
1つはプロテクトシャツという、ベースのジャガード織りのストライプのシャツにスーツ素材のプロテクターを加えたアイテムです。シャツにテーラードジャケットをドッキングさせて一つのアイテムにしている珍しいアイテムです。
グラデーションプリントを施したオリジナルのテキスタイルのトータルルックもぜひ見て欲しいですね。テーラードジャケット、ハイネックのインナー、スカートなどのアイテムで展開しています。
またTシャツとパーカーも注目して欲しいです。アイコニックなファイヤーパターンなどのプリントやサイズ感は引き続き継続していますが、今回は素材をよりしっかりしたものにしています。前回まではふんわりした素材を使っていましたが、大きくて柔らかいと全体的に落ちやすく、細長いシルエットになるというところもあって。今回はよりボリュームを出せるような目の細かい、硬い素材を使って、綺麗な形を保ちやすい素材を選んでいます。洗濯してヘビーローテーションしても長く着ていただけると思います。
ー今後ブランドの将来像を教えてください。
日本の各都市1店舗ずつ、自分達の長くお付き合いのできるお店さんと一緒に盛り上げていきたいと考えています。東京以外の地域のお店さんとも付き合いができたらいいなと。そこでもしランウェイが見たいと言われるようになってきたら、やってみたいですね。ただ基本的には見てもらえる人ありきだと思っています。また、アジア圏含めヨーロッパ、アメリカなど海外に展開していきたいですね。
ここ5年くらいの最終的な目標としては自分達のお店を展開していきたいと考えています。これは特にビアンカの夢でもあって。テンダーパーソンのコンセプトショップのような位置付けとして、自分たちの服だけでなく、ユーズドヴィンテージや自分達のセレクト、あとは音楽や家具も含めたカオスな空間を作りたいですね。テンダーパーソンが見る世界をブランドの服だけじゃなくて、お店のフィルターで紹介していくということがしたいと考えています。
●DESIGNER'S PROFILE
ヤシゲ ユウト(Yuto Yashige)

2014年に文化服装学院在学中に、ビアンカとともにブランド「TENDER PERSON(テンダーパーソン)」を設立。
2016AWから本格的にコレクション発表を始める。

Text : Midori Namekata

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