YOHEI OHNO
ヨウヘイオオノ


YOHEI OHNO(ヨウヘイオオノ)は大野陽平がデザインするウィメンズブランド。2015AWのデビュー以来、インダストリアルな要素を取り入れ、遊び心のある新しいレディースウェアを提案。


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SPECIAL INTERVIEW

2018A/W コレクションインタビュー

前回の2018SSはDIYをテーマに、ポップでフューチャリスティックなコレクションを発表した「YOHEI OHNO(ヨウヘイオオノ)」。今期は一転、落ち着いたカラーリングでベーシックな、新たな一面を覗かせるコレクションとなった。見る人との距離感を意識したという2018AWコレクションについて、デザイナーの大野陽平氏に話を聞いた。

─── ブランド立ち上げの経緯を教えてください

元々は四年制大学の文学部に通っていたのですが、あまり文学にのめり込むことができなくて。洋服が好きなことはもちろん、 祖父が和菓子職人、父が画家という環境で育ち、モノ作りにはずっと興味がありましたね。大学を中退して文化服装学院に入学しました。 在学中にコンテストの副賞としてイギリスのノッティンガム・トレント大学に1年半ほど留学させてもらいました。 帰国後の2014年の年末にブランド立ち上げを決意して、そこから3ヶ月で15ルックほど作って、2015AWの展示会を初めて行いましたね。

─── とても思い切りがいいですね。初の展示会の反応はどうでしたか?

やっぱり知名度も経歴もないブランドの展示会にはバイヤーさんも来てくれず、現実の厳しさを感じましたね。ただ、そんな中リステアの柴田(麻衣子)さんがいらしてくださり、 後日メディアでうちのブランドについて触れてくださって。そこから徐々に認知度も上がってきました。それがなかったら本当にどうなっていたことか(笑)

─── コレクションのプロセスはどう構成していますか?

2018AWで7シーズン目を迎えますが、プロダクト的なイメージはうちの持ち味として継承しつつ、特にコレクションを作る上では最初から完成イメージがあって作るわけではなく、 生地や前回のコレクションの反省を踏まえながら少しずつ作っていく感じですね。

─── 2018SSのDIYをテーマにしたコレクションでも、カラフルなプラスティックの下げ札用ロックスが散りばめられたアイテムなどがありましたね

そうですね。東急ハンズでいろんな部品を見ながら着想を得て作成しました(笑)DIYというか、洋服を作るという過程自体を楽しんでいます。モノ作りが好きなんですね。

─── プライベートでも何か作ったりしますか?

いいえ、そこはまったく(笑)洋服や小物以外のモノ作りは今のところ興味がないみたいです。

─── 2018AWのテーマについて教えてください

テーマは「ノスタルジー」です。見た人に親近感を感じてもらったり、もっと生活に入り込んでいけるようなコレクションになればと思いながら作りました。というのも過去2回はランウェイ形式でのコレクション発表を行い、モデルが颯爽と歩く“いわゆるかっこいいショー”だったので、2018AWは見た人が自分と繋がる何らかの感情や近い感覚をもってもらえるのが理想です。リアリティーを伝えたいわけではなく、あくまでモードの文脈で。今回の発表はインスタレーション形式で、服を間近で見ることができるような演出を行う予定です。椅子が置いてあったり、生活に根ざしたシーンを切り取ったような演出にしているので、見ている人が“ショーピースは自分の生活からは縁遠い”とならず、身近に感じてもらえると思います。

─── 2018AWで注目してほしいプロダクトがあれば教えてください

シャツ、ニット、アウターなどのフォルムとか、袖の作り方を工夫して、自分らしさをフォルムで提案する試みを初めて行いました。デニムやシャツなどベーシックなアイテムも増やしています。 トータルコーデが提案できるブランドになれるように意識しましたね。ただベーシックと言っても、どこか未完成な部分や、ちょっとしたクセの強さや、普通っぽくない部分がどこかに表れているのがうちらしさなんだなと再認識できましたね。

─── 今後のモノ作りへの姿勢を教えてください

これからもうちらしさを追求して、一貫したクリエーションの核となる部分を作っていき、 誰が見てもYOHEI OHNOだとわかるような、強い軸というものを伝えていけたらいいなと思います。


Designer Profile

大野 陽平 (Yohei Ohno)

2014年 文化服装学園を経て、英ノッティンガム・トレント大学に留学。帰国後YOHEI OHNOを設立。
2015年 2015AWからコレクションを発表。