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Donnah Mabel
研究と探求がもたらす無二の世界
2016年のデビューコレクションから高い完成度と独自の世界観で国内外から注目されるDonnah Mabel(ドナ メイベル)。今季は深海をテーマにコレクション発表を行った。 強いビジュアルの印象の裏に潜むそれぞれのアイテムに込められた内なる思いを、滅多にメディアに出ることがないというデザイナー本人から伺うことができた。
ーこれまでのブランドヒストリーを教えてください
学生時代、イギリスでファッションを学び、その後2年、フセイン チャラヤンで2年ほどパターン制作や縫製を務めていました。帰国後所属していたFAKE SHOWROOMと、大手繊維メーカー瀧定大阪のプロジェクトとして立ち上げたのが「Donnah Mabel」です。その後、瀧定から私個人のレーベルとして引き継ぎ今に至ります。2016AWコレクションからスタートし、今季が5シーズン目になります。
ーDonnah Mabelというブランド名の由来は?
もともと人名のような名前にしたいというのがありました。イタリア語で女性的を表す「Donna」とフランス語で美しい人を表す「Mabel」を組み合わせて、私の理想の女性像を表す名前、という気持ちを込めています。
ー確立されたユニークな世界感を表現されていますが、コレクションはどのようにして制作されているのでしょうか?
ファッションを学んでいる時も、ブランドを立ち上げてからも、自分ではそれほどユニークなモノづくりをしている感覚はないんです(笑)ただ、周りからそう言って頂くことが多いのは、制作する上でのリサーチとそこからのインスピレーションが関係しているのではないかと思います。

毎シーズン、制作するタイミングで興味のあるトピックを選んで、一つのテーマを決め、それから徹底的にリサーチをします。関連する物事をどんどん深掘りしていって、おもしろいものを見つけたら、今度はそれをどう洋服で表現しようか、と考える。そういうプロセスが好きなんです。一見突飛に見えるデザインも一つ一つ具体的なモチーフを元にデザインしていることが多いですね。

パッと見た時にはエッジーなデザインで着にくく感じられるかもしれませんが、日常でも十分に着れるよう工夫して制作しています。もちろんデザインコンシャスでクオリティが低いものにならないよう、クオリティの面はすごく意識しています。
ーでは今期のコレクションについてお伺いできますか?
今回のコレクションのテーマは"深海(Deep Sea)"です。海に関わる人々や深海生物などをモチーフにしています。例えば、漁師が着用するたくさんのポケットがついたベストを元に、レザーのポケットを繋ぎあわせたアイテムを作成しました。

また、アクセサリーではピンポン・ツリー・スポンジという深海生物を模したアイテムを制作しました。これもリサーチの中で出会ったモチーフですね。他にはレースで泡を表現したり、シャツは深海生物の触覚から着想を得たアイテムもあります。

深海は生きて行くには2種類、水圧に耐えられるようすごく体表を硬くするか、逆に調和するよう柔らかくするか、のようなんですよね。そういった自然のおもしろい特色をどう洋服に落とすことができるかを考え、レザーのセットアップで深海魚の鱗を表現したり、反対にレザーダウンで柔さを表現するなどしました。
ー今後のブランド展開についてお伺いできますか?
海外も含めて、さらに広くビジネスを展開していきたいと考えています。そのためにまずは知ってもらう努力を続けていきたいですね。そういった視点で、「シーナウトウキョウ」はお客様のダイレクトな反応が見えるという点でいい仕組みだと考えています。ぜひ今後も皆様の目に触れる機会も増やしていければと考えています。
DESIGNER'S PROFILE :

MIYUKI KITAHARA
Arts University Bournemouthでファッションを学び、Hussein Chalayanにて経験を積む。
2016年にDonnah Mabelを立上げ、コレクションを発表する。

Text: Naoco Okada
Donnah Mabel 2018AW COLLECTION
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