NON TOKYO
"らしさ"を凝縮した大人のスポーティ・フェミニン
大人のストリートウェアを提案する「NON TOKYO(ノントーキョー)」の2018AWコレクションはこれまで以上に遊びのある極彩色と、都市生活に根ざした着心地が追求されたシーズンとなった。あえてテーマを排して、どの「アイテムを見てもNON TOKYO」らしい洋服作りを目指した今期のコレクションについて、デザイナーの市毛氏に話を聞いた。
ーブランドヒストリーを教えていただけますか?
2002年からメンズブランドbanal chic bizarre(バナル シック ビザール)を中川瞬とやっていたのですが、出産を機に退きまして、復帰のタイミングで元々レディースをやりたくて2014年SSコレクションからNON TOKYO(ノントーキョー)をスタートしました。そもそもなぜレディースかと言うと、立ち上げたのが20代後半だったんですが、30代前後って私も含め周りに“ファッション迷子”が多くて(笑)。ハイブランドは手が出しにくい、でもファストファッションも抵抗がある…そんな女性のためのブランドにしたくて立ち上げました。年齢が近い方や周囲からたくさん反響をいただきましたね。
ーNON TOKYOの由来やコンセプトは?
由来は私(綾乃)のあだ名です(笑)。コンセプトは自分が着たい服や等身大の服をそのときどきに作っています。手にとってくださるお客様も私の年齢に近い方い感度の高い大人の女性の方が多いですね。
ー市毛さんが意識されているNON TOKYOらしさとは?
スポーティであることは毎回意識して作っていますね。あとは掛け合わせで生まれる違和感を大事にしています。スポーティやストリートとエレガンスのミックスや、異素材や配色の掛け合わせを楽しんでもらいたいですね。攻めててアイキャッチー性の高いアイテムがウチらしいのかもしれませんね。スポーティはもちろんですが、ちょっとフェミニンなフリルやギャザーとのミックスアイテムもご支持いただけています。
ーそれでは2018AWのテーマをお伺いできますか?
今期はこれといったシーズンテーマは設けてないんです。前回が特にテーマに特化したラインナップだったので、今回はそれをやめて、原点回帰でNON TOKYOらしさをフォーカスしています。色もベーシックは一旦やめてどれをとってもアイキャッチーなアウトドア要素の強いアイテムを展開しています。はじめてブランドを知ってくださった方にも、今期を見てくださればうちらしさが伝わるかなと思います。
ースポーツメーカー「ヨネックス」とのコラボレーションはどういった経緯で?
うちがスポーティな要素が強いので、国内のスポーツメーカーさんとコラボしてみたいなと思ったのがきっかけです。ヨネックスさんのロゴがアパレル要素の角度で見たらどうなるだろうというのが面白いかなと思い、お互いにいい相乗効果になれるように意識しました。落とし込んだアイテムもヨネックスさんとルーツがかけ離れないように、コーチジャケットやスウェットなどをピックアップしてました。
ーそのほか2018AWの注目してほしいアイテムは?
ヨネックスさんとのコーチジャケットは個人的にもどれもお気に入りです。表情がガラリと変わるリバーシブルのボンバージャケットをはじめ、2WAYや3WAYのアイテムもNON TOKYOらしさがあって自信作ですね。あとはショート丈が気分なので、ニットスリーブポロシャツもオススメです。人気が出そうなのは、マウンテンディテールの落とし込まれたコートやワンピースなどのアイテムですね。
ー素材感のこだわりを教えていただけますか?
ハリ感のある素材や、シャツならシワになりにくい、洗濯もできるような機能性も考慮していますね。また、オリジナルの柄でキルティングを作ったり色々な加工を加えたりして、アイテムに最も適した素材を使うよう心掛けています。
ー今後強化していきたい取り組みや展開は?
等身大でありつつも、届ける年齢層をもう少し広げれたらいいなと思っているので、意識した服作りをしていきたいですね。あとはもっと海外にも販路を広げていけたらいいなって思っています。
DESIGNER'S PROFILE :
市毛 綾乃(Ayano Ichige)
2002年 中川瞬とともにbanal chic bizarreを立ち上げる
2008年 TOKYO COLLECTION期間中にショー形式でのコレクションを発表
2012年 出産の為デザイナーを退任
2013年 産休期間を経て2014 S/S COLLECTIONより NON TOKYO開始
2016年 Tokyo新人デザイナーファッション大賞《プロ部門》入賞
2018年 下北沢に直営店「ADD」をオープン
Text: Naoco Okada
Photo processing : Midori Namekata
NON TOKYO 2018AW COLLECTION
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