デザイナーズボイス : you ozeki

曖昧なバランスで描くエフォートレス・フェミニン

Text: Naoco Okada

大人の女性が気負はずに洗練されたデザインが纏える「you ozeki」。都会的な女性を美しく魅せる繊細なシルエットや緻密なディテールが特徴的な同ブランドのデザイナー尾関氏に2018AWの見どころについて話を聞いた

─── ブランドヒストリーから教えていただけますか?

2014年に今のブランドを設立しました。それまでは少し違うテイストのブランドのデザインをしていましたが、歳を重ねてブランドコンセプトなどにとらわれない、今自身が着たいものを作りたいと考え、自身の名前を冠にしたブランド「you ozeki」になりました。 服飾の学校には通っておらず、一般の大学の被服学科で、服に関することを勉強しました。身体の様々なパーツの計測データをもとに、着心地や衣服内環境の仮説検証などを繰り返したり、染色や洗剤実験のような化学的なことを学んでいたので、服作りは独学な部分が多いですね。

─── 尾関さんが思う“you ozekiらしさ”はどんな部分に現れていると思いますか?

特別に個性が際立だったブランドではないと思います。誰でも着られるけれど、日常にスパイスをくれる服にしています。モダンとクラシック、モードとコンサバ、フェミニンとマスキュリンなど、いつも曖昧な境界線を意識して独自のバランスでブランドらしさを出していけたらと思っていますね。

─── 2018AWのテーマを教えてください

テーマはfemmeです。うちのブランドは秋冬になるとややユニセックス感のあるデザインになることが多いので、今回はいつもの秋冬より、少し女性らしいものを提案しました。

─── 2018AWで特に注目してほしいアイテムについて教えてください

ハイネックとUネックが組み合わさったニット(neck worm knit SHORT)は、ハイネックで暖かいけどデコルテの露出で女性らしい抜け感が楽しめると思います。
厚地のコーデュロイのチェスターコート(YO18A10)。でしっかり防寒性がありながら、少し懐かしい風合いが出ます。様々なサイズの方にマッチするシルエットです。
リバーシブルのブルゾン(reversible blouson)です。片面はストレッチ性と美しいシルエットがずっと続く帝人の機能性素材ソロテックスを使用し、もう片面は上質な高野口パイル織のファーを使用しており、真冬にしっかり暖かく、長く着用いただけます。

尾関ゆう(ozeki yu)
大学在学中、素材学や人体工学の観点から被服を学び、2014SSより「you ozeki」をスタート。
年二回の展示会形式でコレクションを発表。
デザイナー自身のパターンとオリジナルの生地から展開するレディースレーベル。様々な事柄の境界線を独自のバランスで表現