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GalaabenD
らしさの追求の先にある「盲目的な恋」の予感
前シーズンに柔らかなトーンとエフォートレスな雰囲気でブランドの新境地を開拓したGalaabenD(ガラアーベント)。今期はがらりとカラーパレットやモデル選びを変え、印象を変えてみせた。ブランドコミュニケーションを1から見直したという今期は、ジェンダーレスやボーダーレスなど今という時代を象徴するようなコレクションとなった。「盲目的な恋のような」と表現する今期に込められた思いや、自身の心境の変化をデザイナーの大川原美樹氏に聞いた。
ー今期のテーマ"LOVE IS BLIND"に込められた思いを教えてください
「恋は盲目」という意味で、GalaabenDの独特の世界感や毒気も含めて、気づいたら心奪われてしまったような感情を表現しました。 スパンコール・ジャガード・サテンなどクセの強いアイテムであっても、実際に身につけてみると、非日常ではなくそれが当たり前のように思えてくるような。そんな盲目的な恋に似た感覚を持ってもらいたいと考えています。
ー前回はエフォートレスなコレクションでしたが、今回はがらりと雰囲気が変わりましたね。そこにどのような心境の変化がありましたか?
14年間ご愛顧して頂きましたフラッグシップ店(原宿の旗艦店)を、ビルの全面改装に伴って移転し、新たに「SALON DE GALAABEND」を4月にオープンしたことが大きいですね。この機会にブランドコミュニケーションのありかたを今一度見直し、お客様一人ひとりに寄り添った提案していきたいと考えました。それに従って、商品構成も再構築し、さらに「GalaabenDらしさ」にこだわり、全体をワンランクUPに仕上げました。ファブリックやヴィンテージ感をジャケットスタイルに落とし込んだり、カジュアルアイテムにスパンコールのモチーフ使いでこれまで以上にゴージャス感を感じてもらえると思います。キーワードとしてはグラマー、グリッター(輝き)、レトロ、アンドロジナス(中性的)などが挙げられますね。
ーモデル選びやLOOKも含めて今まで以上にジェンダーレスさが感じられますが、意識された部分ですか?
ジェンダーレス(アンドロジナス)・ボーダーレスは今シーズンのLOOKコンセプトだったので、意識していましたが、決め手はモデルでしたね。韓国人メンズモデルのEUN SANGさん、レディースモデルKLARA BLANCさんが国籍は違えど髪型もイメージも似ていて、まるで双子の様で。見た瞬間にお願いしたいと感じました。ともすればドレス要素が強く出てしまいがちなアイテムを日常に落とし込んで表現し、中和してくれるという意味でも、今回のモデルさんはピッタリでした。また通常はスタジオ撮影ですが、今回は「SALON DE GALAABEND」内テラスで自然光で撮影してるので、ハードなアイテムやLOOKも、どこかに風や光を感じるナチュラルな雰囲気が漂い、絶妙なアンバランスさを醸しだせたと思います。
ー今シーズンの特に注目してほしいアイテムについて教えてください
スパンコールジャケットや、ブルゾン、パーカー、Tシャツ等のスパンコールモチーフアイテムは今期を象徴するアイテムとしてぜひ注目してほしいですね。また、ラッフルフリルシャツや、ヴィンテージチェック、サテンフラワージャガード、ラメオーバルジャガードなどを用いた、ヴィンテージライクなジャケットもこだわったアイテムです。
ー最後に読者の方にメッセージがあればお願いします。
常に意識していることではありますが、2018AWは特に「GalaabenDらしさ」と「ワンランクUP」が表れているシーズンなので、うちらしさと今期ならではの新鮮さを感じていただけたら嬉しいです。それが盲目的な恋のような気持ち(LOVE IS BLIND)に繋がっていればそれ以上嬉しいことはありません。
DESIGNER'S PROFILE :

大川原 美樹 (Miki Okawara)
1993年、東京モード学園ファッションデザイン学科卒業
卒業後、オンワード樫山に入社し、CKカルバン・クラインを担当。トランスコンチネンツなどを経て、 2003年GalaabenD(ガラアーベント)をスタート。GalaabenDとはドイツ語で公式な夕べの集いを意味する。
2004年原宿に旗艦店をオープン
女性がデザインするメンズブランドとして、各方面から注目を集める。 ブランドのコンセプトは、『ディズム&ティカ』(ダンディズム×エロティカ) ベースはクラシカルだが、ディテールはモダン。 古き良き時代のクチュールが持っていたスノッブ(俗物的)で官能的な志向を ラフで自由な嗜好に仕立てる事により、時の流れの優美さを知る。

Text: Naoco Okada
GalaabenD 2018AW COLLECTION
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