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ATSUSHI NAKASHIMA
幾何学模様に隠された思考と技術、そしてその先にあるもの
ジャンポール・ゴルチエでのヘッドデザイナーの経験や、日本人初のDHLからの支援を受けてミラノコレクションでの発表、 また最近ではアーティストの堂本剛氏がショー音楽を手がけるなど、華々しい経歴に飾られるブランド「ATSUSHI NAKASHIMA」。 だが、そのブランドの背景には遠くて長い道のりを経た確かな足跡があった。地元岐阜での生い立ちから、ブランド立ち上げまでの歴史、 そして今シーズンへの思いを中島篤氏に聞いた。
ーデザイナーを目指すまでの経緯から教えてください
幼い頃は絵を描くことが好きで、祖父(画家)の影響もあり画家を目指していましたが、高校生で洋服に興味を持ち、 絵と洋服の両方に関わるデザイナーを志すようになりました。高校卒業後はファッションの専門学校を希望していましたが、 父親が堅実な人で猛反対。一度は地元の電子部品を作る会社に就職しました。でもデザイナーの夢を捨てきれず、 資金を貯めて親の反対も押し切って専門学校に通いましたね。
ー専門学校を卒業後、工業パターンや縫製を行う工場で働かれていたとのことですが、すぐにデザイナーを目指さなかったのはなぜ?
デザイナーを目指す上で、実直に足場を固めて10年後に良いコンディションにしたいと考えました。 洋服のデザインだけではなく、服を縫製する工程をきちんと学びたいと思ったんです。あとは専門学校時代から立体パターンが得意だったので、 パターンをもっと突き詰めたいというのもありました。親に反発して進んだファッションの道ですが、この姿勢は父親の教えや影響が大きいと思いますね(笑) 働きながら力試しに応募した「オンワードファッション大賞」(現TOKYO新人デザイナーファッション大賞 アマチュア部門)では、 数年ぶりに来日されていたジャン=ポールゴルチエ氏が審査員にいて、そのままゴルチエのアトリエで働かせてもらえることになったんです。
ーまさにサクセスストーリーですね。世界中から優秀な才能が集まるパリのアトリエでのエピソードを教えてください
工場での縫製とパターンの知識が役立ちましたね。海外は完全に分業制で、技術も持ち合わせるデザイナーはほぼいないんです。 ゴルチエの奇抜なデザインを、伝統的な縫製の職人たちが形にするときに苦労していた工程を、僕がパターンを起こしたり形にする仲介的なことができたので、 デザイナーと職人の双方から信頼を得て長く勤めることができました。バッグ部門のデザイナーや、ディフュージョンラインのトップも任せてもらえたり、 ゴルチエのアトリエでの7年半の経験は本当に貴重な時間でしたが、自身のブランドを立ち上げたい欲求が強くなって・・・。 仕事を終えてから、作品作りをするような生活を過ごしていました。ゴルチエには本当に可愛がってもらいましたね。
ー自身のブランド立ち上げ時にこだわったことは?
デザインが飽和している中で、オリジナリティをどう表現するか徹底的に考えましたね。 まずデザインというのは、自分が目にしたものしかデザインできない。僕がいま江戸時代にいたとしたら着物しかデザインできない。 これまで何万人といたデザイナーたちが一生をかけて作り出した技術や技法、デザインを一から学びました。 ファッションの歴史を辿り、次の時代に自分ならどういった表現を生み出せるかを導き出すために、過去の文献や資料をとことん読み込みました。 そこでたどり着いたのが、幾何学的・未来的・モダンなイメージ。身体の造形や自然な立体感に必要な切り替え線や機能から作っていくと、 いわゆる“デザイン”をしなくても、シルエットが美しくなります。「意味を持たないデザイン」はしないというのはゴルチエから学んだこと。 見たことがないモード=「ATSUSHI NAKASHIMA」と言ってもらえる服を目指しています。
ー今シーズンのテーマについてお伺いできますか?
「結合」「トランスフォーム」がテーマです。一見クラシックなトレンチコートやモッズコートと思いきや、ジップを外すと異素材になっていたり、 外したジップを違うアイテムに付け替えてカスタムを楽しめるようになっています。モッズコートは綿ナイロンに、 MA-1のリブは昔使っていた軍服の原型リブなどディテールは本物志向にこだわりました。普遍的なアイテムこそリデザインすると面白いですよね。 また、毎シーズンこれまでのパターンを修正して進化させてアップデートさせることで、少しずつブランドの歴史に繋がっています。 これまで論理的にデザインを構成していましたが、シーズンを重ねることで、今は考えなくても感性のままにデザインできるようになってきた気がします。 ファッションの歴史や論理、技術の蓄積を経て、今かっこいいと思えるものを作っています。
ーミラノコレクションの魅力やショーのみどころについてお聞かせください
グッチやアルマーニなどビッグメゾンと同じ土俵に立てる勝負の場。コレクションに向けて何百アイテムも作るビッグメゾンと違い、 自分たちは予算もスタッフも限られていますが、その中で一体一体のクオリティをきちんと上げていくことが評価に繋がるはずと信じています。 ファッションウィーク中のミラノは、街全体でファッションの文化を応援している空気感に包まれています。タクシーに乗っても、「ファッショウィークで来たの?」 と聞かれたり。大変ではありますが、それ以上に続けていきたいなという思いの方が強いですね。 ショーは、前回に引き続き堂本剛さんの楽曲を使用。今回は彼の過去の楽曲をリミックスし、イタリア人ポップス歌手のアリーザ(Arisa)が即興で歌をのせる演出に。 面白くなると思います。
ー中長期のブランドビジョンを教えてください
近い将来、直営店を出したいですね。クリエイションの質は落とさず、デイリーに着やすいアイテム増やしたり、メンズやカバンなども充実させたラインナップで。 また、10年後にはコレクションが海外でもっと評価されていたいですね。時間はかかると思いますが、クオリティにこだわり、 保守的にならず着実に結果を残せるコレクションを発表し続けて、きっちりとブランド価値を高めて行けるように努力したいですね。 ヨーロッパのメゾンの中で頑張っている日本ブランドとしての期待にも応えられるように頑張りたいです。
中島 篤 (Atsushi Nakashima)
2001年 名古屋ファッション専門学校 ファッションスペシャリスト科 卒業
2003年 第20回オンワードファッション大賞 グランプリ受賞
2004年 渡仏 ジャンポールゴルチェ アシスタントデザイナー就任
2009年 ジャンポールゴルチェ ディフュージョンライン ヘッドデザイナー就任
2011年 帰国 自身のブランド「ATSUSHI NAKASHIMA」をスタート
2012年 Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO にて2012 AUTUMN WINTER DEBUT COLLECTIONを発表
第3回DHL デザイナーアワード受賞
2013年 ジルサンダーネイビー バッグライン ディレクター就任
2015年 海外デザイナー支援DHL Exported にて日本人初受賞
Milan fashion week にて2016 AUTUMN WINTER COL LECTION を発表

Interview : Naoco Okada
ATSUSHI NAKASHIMA 2018SS Collection
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